南部紫根染の着物の買取り相場はオークションではいくらなの?
南部紫根染を売る事を検討しているのなら、まずは相場をチェックしましょう。
ネットオークションでの南部紫根染の買取り価格を調べると、平均39,000円程度でした。
中古の最高値は単衣の南部紫根染が163,000円です。
もちろんこれらの数字は目安に過ぎません。
南部紫根染の価値が分かる人は限られているので、専門の査定士のいる着物買取店に見てもらうのがおすすめです。
無料で査定してくれる所がほとんどなので、査定額に満足なら売る事を検討してみましょう。
南部紫根染とはどんな着物?
落ち着いた紫色が特徴な紫根染は中国・春秋戦国時代から伝わる染物です。
小野妹子などの遣隋使によって日本へ伝えられ、奈良・平安時代には高貴の身分だけが許された禁色でした。
鎌倉時代には身分の高い武士が着用する縅の鎧にも使われ、岩手県の南部地方に紫根染が伝わったのもこの頃です。
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南部藩政時代には藩から手厚い保護を受けて着物などがたくさん生産されていましたが、明治時代にアニリン色素と呼ばれる扱いやすい化学染料が海外から輸入され、技法が難しく高価な紫根染は衰退し、途絶えてしまった過去があります。
ところが大正を迎えた頃、岩手県では南部紫根染復活させようと県内でわずかに残る技術師を集めて伝統的な技法を学びつつ、独自の技法開発も行われながら南部紫根染は復活を遂げました。
紫根染は多年生植物である紫草の根から抽出される染料で染め上げています。
現在、日本で紫草は絶滅危惧種に指定されているため、自栽培された紫草を使用することがほとんどです。
しかし、天然の染料より質が落ちるため助剤を取り入れることで昔と変わらない高品質の南部紫根染が岩手県盛岡市を中心に現在でも生産されています。
紫根染の特徴は色の濃淡でしょう。
紫根染では染色を重ねる技法なので繊細なムラができ、それが独特な色合いをつくり美しい生地をつくりだしています。
さらに、南部紫根染では南部しぼりと呼ばれる技法をつかっていることも特徴です。
南部しぼりは型紙を使って生地に模様付けし、その部分を糸でくくるこことでその部分が染まらず、独特の模様が浮かび上がる技法です。
約800種類の図柄が存在し、一点ものの生地がつくられています。
南部紫根染は全て手作業で行われるため、完成までかなりの時間がかかります。
天然染料を鮮やかな色で生地に染め上げて行くためには媒染液で下染し、生地に定着させる必要があります。
媒染液を定着させるためには、半年間寝かせておく枯らしと呼ばれる工程が行われるのです。
その後、和紙に渋柿を塗って図柄を作り、青花液で生地に模様をすり込んでいきます。
この模様を頼りに針と糸でしぼる作業が行われますが、柄によっては1年以上もかかってしまうのです。
しぼり作業が終わるといよいよ染め工程となります。
染料は温度によって色が変化するため、染める際は温度を確認して約1時間浸け置きします。
染料の抽出から浸け置きを繰り返すことにより、鮮やかな紫色に染め上がり、乾燥後に糸を抜くことで独特の柄が浮かび上がる南部紫根染が完成です。
このように、長い期間をかけてつくられるものだからこそ、南部紫根染は価値の高い伝統工芸品として認められているのでしょう。
南部紫根染を高値で売るコツ
南部紫根染を正当な価格で売るなら着物専門買店が最適です。
着物に対する知識をしっかり持った鑑定士による査定なので、オークションよりも高額で売る事が期待できます。
また、古い着物だと売るのが難しいと不安になりますが、こういったお店では古い着物もしっかり査定してくれるので安心です。
訪問買取りや宅配買取りをしているお店も多いので一度チェックしてみると良いでしょう。