芭蕉布の買取り相場はオークションではいくらなの?
芭蕉布を高値で売るのなら、まずはその相場をしっかり抑えておく事が大切です。
ネットオークションでの買取り価格を調べてみると、平均25,000万程度でした。
最高値は人間国宝による芭蕉布で15万円で売る事ができています。
もちろんこの値段は目安でしかありません。
芭蕉布は誰の作品かによっても値段が大きく変わるので、着物全般に精通した査定士のいる着物買取店に見てもらうのがおすすめです。
こういったお店は無料で査定してくれる所がほとんどなので、納得の買取り額を出してきたら売る事を検討してみましょう。
芭蕉布とはどんな着物?
沖縄には様々な織物はありますが、芭蕉布は最も古い織物とされています。
13世紀頃から生産が始まっていたとされますが、一般的に広まったのは17世紀頃からと言われています。
芭蕉布の原料は芭蕉(バナナ)の木から採取できる、糸芭蕉という繊維部分です。
芭蕉布の生産では、まず上質な糸芭蕉を採取することから始まります。
皮を丁寧に剥ぎ、包丁などを使って糸芭蕉を削ぎ取り、その糸芭蕉を鍋で煮ます。
煮た糸芭蕉は水洗いで灰汁を落としてから皮から繊維を剥がして乾かし、織物の糸として完成するのです。
そこから糸を染め、様々な工程を経て織り込まれて着物などが作られます。
この工程は一つひとつ手作業で丁寧に行わるため、年間の生産量は120反と貴重なものです。
芭蕉布の特徴は軽くて柔らかい肌触りのある生地で、江戸時代は夏裃としてよく使われていました。
現在でも夏ものの着物として人気があります。
着物独特の華やかさは少ないものの、自然な色合いが魅力的です。
そして、歳月を経て色は飴色へと変化し、より深みのある風合いにあるところも芭蕉布の特徴でしょう。
琉球政府が存在した1684年当時の沖縄では芭蕉当職が存在し、王府直轄で芭蕉園がありました。
芭蕉布が普及してからは全国各地でも生産が行われていましたが、生活の変化に応じて需要も減少したことから技術を受け継ぐ人間も減り、現在は沖縄の大宜味村・喜如嘉が主な産地となっています。
喜如嘉の芭蕉布が全国的に知られたきっかけは1939年に東京で特産品即売会が行われ、そこで出品したことで注目を浴びました。
その影響により大宜味村芭蕉布織物組合が結成され、工場もあらゆる場所で設計されました。
しかし、太平洋戦争により生産は中止され、沖縄戦後の1945年に生産が再開されたのです。
そして、1972年に沖縄が返還されると芭蕉布は重要無形文化財に指定されました。
生産が再開された当時から着物以外の商品も次々登場し、現在も生活に馴染みやすい商品が数多く存在します。
それでも、着心地の良さから着物は特に人気が高い商品となっているのです。
産地の規模は減ったものの、大宜味村では技術を絶やさないように後継者の育成に尽力しています。
そして、観光客向けに生産工程の紹介や見学なども積極的に行われ、人気を集めているようです。
芭蕉布の着物は機械ではあらわすことが難しい温かみのある貴重な着物であり、魅力的な伝統工芸品だと言えるでしょう。
芭蕉布を高値で売るコツ
芭蕉布を高値で売りたい場合、やはり保存状態の良さが重視されます。
汚れやシミの少ない芭蕉布の方がやはり高く売る事が可能です。
また、芭蕉布の価値が分かる査定員のいる着物買取店に見てもらうと、適正な値段で売る事が可能でしょう。
着物買取店は汚れやシミなどがあっても、着物の価値をしっかり見てくれるので安心です。